小型冷蔵庫でいちばん多い失敗は、「安かったから」でペルチェ式を選んでしまうことです。静かで軽い代わりに冷却力が弱く、電気代はコンプレッサー式より高くつきます。2台目の冷蔵庫は、使う場所と入れるものから逆算して選ぶ必要があります。
先に結論
- 飲み物専用に寝室・書斎へ45L前後のコンプレッサー式。静音仕様(25dB前後)をうたうものを選びます。ペルチェ式は電気代で不利です。
- メイン機の補助にキッチンへ90〜150Lの直冷式。よく買うものの定位置を2台目に移すと、メイン機の開閉が減ります。
- 冷凍ストックを増やしたい冷蔵の2台目ではなく冷凍庫の増設が正解です。小型冷蔵庫の製氷スペースは冷凍庫の代わりになりません。
まず、2台目で何をするかを決める
セカンド冷蔵庫の用途は、大きく3つに分かれます。飲み物や晩酌用を居室に置く「動線の短縮」。まとめ買いやふるさと納税の冷蔵便を受け止める「容量の増設」。そして米や調味料、化粧品などを一定温度で保つ「保管庫」です。
このうち容量の増設が目的で、増やしたいのが冷凍品なら、小型冷蔵庫ではなく小型冷凍庫を検討してください。小型冷蔵庫に付いている製氷室は多くが冷蔵室内の簡易的な区画で、アイスや冷凍食品の長期保存には向きません。冷凍庫の選び方は別の記事にまとめています。
保管庫としての用途は見落とされがちですが、実は堅実です。飲料のストック、開封後の調味料、直射日光を避けたい化粧品などを2台目に移すと、メイン機の詰め込みすぎが解消されます。冷蔵庫は詰め込みすぎると冷気の循環が悪くなり、電気代にも響きます。2台目は「メイン機を軽くする装置」としても働くわけです。
あわせて読む"小型冷凍庫の選び方|容量・開き方・電気代で失敗しない3つの基準"基準1:冷却方式で電気代と音が決まる
小型冷蔵庫の冷却方式は、コンプレッサー式とペルチェ式の2つです。ここが選び方の分かれ目になります。
コンプレッサー式は、大型冷蔵庫と同じ仕組みです。冷却力が高く、庫内をきちんと冷蔵温度に保てます。運転音は圧縮機が動くときの「ブーン」という音で、動いたり止まったりを繰り返します。
ペルチェ式は、電子部品に電気を流して冷やす方式です。圧縮機がないため振動が少なく、ホテルの客室でよく使われます。ただし冷却効率が低く、同じ容量ならペルチェ式のほうが年間消費電力量が大きくなる傾向があります。しかも外気温が高いと庫内温度が下がりきらないことがあり、夏場の飲み物がぬるい、という不満につながります。常時使う2台目なら、コンプレッサー式を基本に考えてください。
| 方式 | 冷却力 | 静音性 | 電気代 | 総合 |
|---|---|---|---|---|
| コンプレッサー式 | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
| ペルチェ式 | △ | ◎ | △ | △ |
寝室に置くから静音を最優先したい、という場合でも、まずコンプレッサー式の静音仕様(カタログ値25dB前後)から探すのが先です。25dBは深夜の郊外に例えられる静かさで、多くの人は就寝に支障を感じません。音の感じ方には個人差があるため、気になる人は運転音のカタログ値が小さいものを選び、ベッドから距離を取って置いてください。
コンプレッサー式の中でも、霜取りの方式で直冷式とファン式に分かれます。直冷式は冷却器が庫内に露出しており、構造が単純で安く、静かな傾向があります。代わりに霜が付くため、数か月に一度は電源を切って霜取りをする手間が発生します。ファン式は冷気を循環させる方式で霜取りが自動になりますが、小型機ではまだ少数派で、価格も上がります。手間を取るか価格を取るかの選択です。
基準2:容量と置き場所はセットで決める
小型冷蔵庫は45L・90L・150Lの3クラスに分けて考えると選びやすくなります。
- 45Lクラス:飲み物とちょっとした食品専用。幅・奥行きが50cm弱で、カラーボックス感覚で置けます。棚は実質1〜2段です。
- 90Lクラス:一人暮らしのメイン機としても使われるサイズ。2Lペットボトルが立ち、ドアポケットも実用的になります。
- 150Lクラス:2台目としては大きめ。まとめ買いの受け皿にするならこのクラスですが、置き場所の確保が先決です。
置き場所では、本体寸法のほかに放熱スペースが必要です。多くの機種で左右と背面に数cm、天面に10cm以上の空きが指定されています。指定された空きを確保しないと冷えが悪くなり、電気代も増えます。また、天板が耐熱仕様かどうかで、電子レンジを上に載せられるかが決まります。キッチンに置くなら耐熱天板(耐荷重の表示があるもの)を選ぶと、床面積を節約できます。
容量表示にも注意が必要です。カタログの定格内容積には製氷スペースや棚の構造分が含まれ、実際に食品を置ける量は表示より少なくなります。ドアポケットの形状によっては、2Lペットボトルや牛乳パックが入らない機種もあります。入れたい物の最大サイズ(ボトルの高さ・鍋の直径)を先に測っておくと、届いてからの誤算を防げます。
もうひとつ見落としやすいのがドアの開く向きです。小型機は左開き・右開きが固定のものが多く、置き場所によっては壁にぶつかって全開できません。設置予定の場所で、どちらに開けば動線が通るかを先に確認してください。
基準3:電気代は「小さいから安い」とは限らない
冷蔵庫の電気代は、本体の大きさに比例しません。断熱材の厚みや冷却効率の関係で、小型機は容量あたりの消費電力がむしろ大きくなりがちです。カタログの「年間消費電力量(kWh/年)」を必ず見てください。
電気代の計算は、年間消費電力量に31円/kWh(公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が2022年に改定した目安単価)を掛けます。例えば年間消費電力量が110kWhなら年間約3,410円、220kWhなら約6,820円です。同じ90Lクラスでも機種によって年間消費電力量には差があり、10年使えば数千円から1万円以上の差になります。本体価格の数千円差より、ここを先に比べるべきです。
なお、2台目を増やすという判断自体が電気代の増加を意味します。年間3,000〜7,000円程度のコスト増と、動線短縮や容量増のメリットを天秤にかけて決めてください。使用頻度が低いなら、思い切って電源を切る期間を作るのも手です。
設置で失敗しないチェックリスト
機種を決める前に、設置場所の条件を順に確認します。順番はこうです。
- 寸法+放熱スペース:本体寸法に、機種指定の空き(左右・背面・天面)を足した外形で置けるか。
- コンセントの位置:延長コードのたこ足は発熱の原因になるため、壁のコンセントから直接取れる場所が原則です。
- 床の水平と材質:傾いた場所では振動音が増えます。畳やカーペットに置くなら、荷重を分散する板を敷くと安定します。
- 熱源と直射日光:コンロの横や窓際の直射日光は、冷却効率を落とし電気代を押し上げます。
- ドアの開く向きと動線:全開できるか、開けたとき通路をふさがないか。
また、直冷式を寒い部屋に置く場合は注意が必要です。周囲温度が低すぎると(多くの機種で下限は5〜10℃前後)、冷蔵庫が「冷えている」と誤認して運転を止め、かえって庫内温度が安定しないことがあります。冬の北側の部屋や玄関に置く予定なら、使用周囲温度の範囲をカタログで確認してください。
買うタイミング
小型冷蔵庫は大型機ほどモデルチェンジの影響を受けませんが、新生活需要の落ち着く4月以降や、楽天のセール期間は狙い目です。楽天で買うなら、お買い物マラソンやスーパーSALEの買い回りに組み込むと、ポイント分だけ実質価格が下がります。冷蔵庫のような数万円の商品は、買い回りの倍率を上げてから最後に買うのが定石です。
金額で考えると分かりやすくなります。例えば2万円の小型冷蔵庫を、日用品などで9店舗を回ったあとの10店舗目として買えば、買い回り分だけで9%相当のポイントが付く計算です(上限あり・掲載時点の制度の場合)。1,800ポイントは本体の1割弱に相当します。急ぎでなければ、セール開催に買うタイミングを合わせる価値は十分にあります。
あわせて読む"楽天の買い回りで10店舗を埋める方法"よくある質問
Q. 中身が凍ってしまうことはありますか
直冷式の小型機では、冷気の吹き出し口付近に置いた食品が部分的に凍ることがあります。温度調節ダイヤルを弱め、吹き出し口の近くには凍っても困らないものを置くのが対策です。逆に夏場は設定を強める必要があり、季節ごとの調整が前提の家電だと考えてください。
Q. 霜取りは必要ですか
小型機の多くは直冷式のため、定期的な霜取りが必要です。目安は霜の厚さ5mm程度になったら。霜が厚くなると冷えが悪くなり電気代が増えます。ファン式(自動霜取り)の小型機もありますが、その分価格は上がります。手間を減らしたいならファン式を選んでください。
Q. 車内や屋外で使えますか
家庭用の小型冷蔵庫はAC100V・室内用です。車内で使うなら、DC電源対応の車載冷蔵庫という別のジャンルから選ぶ必要があります。周囲温度の使用条件(多くは30℃台まで)を超える場所では、性能を保証されません。
Q. 処分するときはどうすればいいですか
小型でも冷蔵庫は家電リサイクル法の対象です。粗大ごみには出せません。買い替えなら販売店の引き取り、単純な処分なら自治体の案内に沿ってリサイクル料金と収集運搬料金を払って引き渡します。2台目を増やす前に、出口があることも頭に入れておいてください。