小型冷凍庫の電気代は、カタログの数字1つで出せます。使う式は「年間消費電力量 × 31円」だけです。ここでは容量クラスごとの目安と、実際の請求がその計算からずれる理由をまとめます。
先に結論
- 計算式年間消費電力量(kWh)× 31円 = 年間電気代。月あたりは12で割ります。
- 30〜40Lクラス年間およそ3,100〜4,650円。月260〜390円です。
- 比較の基準10年使う前提で、本体価格の差と年間電気代の差を並べて見ます。
計算に使う数字は2つだけ
1つめは年間消費電力量です。カタログの仕様表に「年間消費電力量 ◯kWh/年」と書かれている値で、JIS C 9801にもとづいて測定されます。決められた室温や扉の開閉条件のもとで測るため、どのメーカーの製品でも同じ条件で比べられます。
2つめは電気料金の単価です。この記事では31円/kWhを使います。公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が2022年に改定した、電気料金の目安単価です。家電の電気代を比べるときに広く使われている値で、それ以前は27円/kWhでした。実際の契約単価はプランと電力会社で違うので、自分の請求書の単価に置き換えれば、より近い数字が出ます。
計算はかけ算だけです。年間消費電力量が150kWhなら、150 × 31 = 4,650円。これが年間の電気代です。月あたりは4,650 ÷ 12 = 約388円になります。1日あたりでは約13円です。
容量クラスごとの目安と、10年で見た差
年間消費電力量は容量と方式で変わります。カタログ表記に見られる範囲を、クラスごとの目安としてまとめます。個別の製品の数値ではないので、実際に検討している機種の仕様表で必ず確認してください。
| 容量クラス | 年間消費電力量の目安 | 年間電気代 | 月あたり |
|---|---|---|---|
| 30〜40Lクラス(前開き) | 100〜150kWh | 3,100〜4,650円 | 260〜390円 |
| 60Lクラス(前開き) | 130〜200kWh | 4,030〜6,200円 | 340〜520円 |
| 100〜150Lクラス(前開き) | 180〜300kWh | 5,580〜9,300円 | 470〜780円 |
| 100L超(上開き) | 150〜250kWh | 4,650〜7,750円 | 390〜650円 |
表から読み取れることは2つあります。1つは、容量が2倍になっても電気代は2倍にならないことです。庫内が大きいほど、容量あたりの効率は良くなります。もう1つは、同じ容量クラスでも幅が大きいことです。60Lクラスの下限と上限では年間2,000円以上違います。
上開きが同じ容量帯で低めに出るのは、構造の違いによるものです。冷気は空気より重いのでふたを開けても逃げにくく、庫内が仕切りのない箱なので熱の出入りも少なくなります。容量あたりのコストで選ぶなら、上開きが有利です。取り出しやすさとの引き換えになります。
あわせて読む"前開き冷凍庫と上開き冷凍庫、どちらを買うべきか"実容量で割ると、この差はさらにはっきりします。表示60Lの前開きは実容量が約48L、上開きは約54Lです。同じ年間電気代でも、上開きのほうが多くの食品を保存できている計算になります。
ここまでの金額は1年ぶんです。冷凍庫は24時間動き続け、10年前後使う家電です。だから初期費用より、年間の差を10倍した額で比べるほうが実態に近くなります。
年間消費電力量が130kWhの機種と190kWhの機種を並べます。130 × 31 = 4,030円、190 × 31 = 5,890円。差は年間1,860円です。10年なら18,600円になります。本体価格が1万円高くても、消費電力の小さいほうが総額では安く済む計算です。
逆の見方もできます。使わない容量のために大きいクラスを買うと、その差額を10年払い続けることになります。40Lで足りる人が100Lクラスを選べば、年間の電気代はおおむね2,000円前後増えます。容量は必要な分だけにする、という判断はここでも同じ結論になります。
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カタログ値は決められた条件で測った数字です。実際の使い方では上にも下にもずれます。上がる方向の要因は4つあります。
- 置き場所の室温が高い。直射日光、コンロや電子レンジの近く、日中に閉め切る部屋
- 放熱スペースが足りない。背面や側面が壁や家具に密着している
- 扉を開ける回数が多い。1回ごとに冷気が入れ替わります
- 庫内に霜が厚く付いている。熱が伝わりにくくなり、稼働時間が延びます
下がる方向の要因もあります。庫内が食品で詰まっている状態は効率が上がります。凍った食品そのものが冷たさをためこむので、扉を開けても温度が戻りにくくなるためです。すかすかの冷凍庫は、空気を冷やし直す回数が増えます。容量に余裕を持たせすぎた機種は、購入価格でも電気代でも損をします。
できる対策は、置き方と手入れです。直射日光の当たらない場所に置き、説明書が指定する間隔を空け、直冷式なら年に数回は霜を落とす。これだけで、カタログ値からの上振れはかなり抑えられます。
買うタイミング
電気代の差が年間1,000円台であることを踏まえると、数か月待って本体を安く買う判断には意味があります。冷凍庫は単価が高めなので、お買い物マラソンや楽天スーパーSALEの買い回りでは総額の土台になります。冷凍庫を先に決めてから、必要な日用品で店舗数を足す順番にしてください。
あわせて読む"お買い物マラソンの買い回り|10店舗の埋め方"ただし、今の冷蔵庫の冷凍室があふれて食材を捨てているなら、待つ月数ぶんの食品ロスのほうが電気代の差より大きくなります。容量・開き方・電気代を並べた判断の順番は、次の記事にまとめています。
あわせて読む"小型冷凍庫の選び方|容量・開き方・電気代で失敗しない3つの基準"