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家電の待機電力と電気代の削りどころ

節電でいちばん多い失敗は、効果の小さいところから頑張ることです。テレビのコンセントを毎日抜き差ししながら、冷蔵庫は壁にぴったり付けたまま、という家庭は珍しくありません。電気代の削りどころには大小があります。大きい順に手を付ければ、労力は半分で効果は倍になります。

先に結論

  • まず手を付ける冷蔵庫の設定と置き方、エアコンのフィルター掃除。24時間・長時間動く家電ほど、小さな改善が年間の金額になります。
  • 次に手を付ける待機電力。家庭の消費電力量の約5%を占めますが、対策する機器は絞ります。
  • やらなくていい毎日使う家電のコンセント抜き差し。得られる金額が手間に見合いません。

電気代は「消費電力×時間」でしか決まらない

削りどころを判断する道具は1つだけです。電気代 = 消費電力(kW)× 使用時間(h)× 31円/kWh。31円/kWhは全国家庭電気製品公正取引協議会が2022年に改定した目安単価で、本記事の計算はすべてこの単価です。

電気代は消費電力(W)÷1000×使う時間×31円/kWhの掛け算だけで決まる。1200Wで1時間なら約37円で、削る優先順位は消費電力の大きさより先に、長時間動いている家電から決まる。
電気代は消費電力(W)÷1000×使う時間×31円/kWhの掛け算だけで決まる。1200Wで1時間なら約37円で、削る優先順位は消費電力の大きさより先に、長時間動いている家電から決まる。

この式が示すのは、電気代を決めるのは「消費電力の大きさ」と「動いている時間」の掛け算だということです。消費電力が大きくても短時間しか使わないドライヤーより、小さくても24時間動く冷蔵庫のほうが年間では大きくなります。1200Wのドライヤーを1日5分なら、1.2kW × (5/60)h × 31円 × 365日 = 約1,130円/年。一方、年間消費電力量300kWhの冷蔵庫は300 × 31円 = 9,300円/年です。

つまり、節電の優先順位は「長時間動いている家電」から決まります。冷蔵庫、エアコン、照明、そして電源を切っても流れ続ける待機電力。この順で見ていきます。

待機電力の実態:家庭の約5%、年間約7,000円

待機電力とは、リモコン待ちや時計表示のために、使っていない間も家電が消費する電力です。資源エネルギー庁の調査にもとづく解説では、待機時消費電力量は1世帯あたり年間228kWh、家庭の全消費電力量の5.1%とされています。金額にすると228kWh × 31円 = 年間約7,070円です。

内訳には偏りがあります。割合が大きいのはガス給湯器(リモコンパネル)、テレビ、エアコン、電話機、レコーダーなどです。ここで重要なのは、待機電力の大きい機器と、コンセントを抜いてよい機器が一致しないことです。給湯器やレコーダーは設定や録画予約が消える・再起動に時間がかかるなど、抜くこと自体に不都合があります。

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現実的な対策は3つです。第一に、長期間使わない機器(季節家電のシーズンオフ、来客用の機器)はコンセントから抜く。第二に、テレビ周りやパソコン周りなど機器がまとまる場所は、スイッチ付き電源タップでまとめて切る。第三に、給湯器は機種の省電力設定(表示オフなど)があれば使う。ここまでやれば、待機電力対策としては十分です。

削りどころを大きい順に並べる

待機電力より先に、動いている家電の無駄を削ります。冷蔵庫は、設定温度を「強」から「中」に見直す、壁から適切に離して放熱スペースを確保する、詰め込みすぎを解消する、の3点です。どれも費用ゼロで、24時間365日効き続けます。冷蔵庫・冷凍庫の電気代の見方は次の記事で詳しく扱っています。

あわせて読む"小型冷凍庫の電気代|年間いくらかかるか計算する"

エアコンは、フィルター掃除と設定温度の見直しが二本柱です。フィルターの目詰まりは風量を落とし、同じ室温を作るのに余計な電力を使わせます。2週間に1回の掃除機がけで維持できます。設定温度は1℃の見直しが消費電力に効くとされており、サーキュレーターで空気を混ぜると、設定温度を無理なく緩められます。

逆に、やらなくていいこともはっきりさせます。毎日使うテレビや電子レンジのコンセント抜き差しは、1台あたり年間数百円規模の節約のために毎日の手間と設定リセットを背負う行動で、割に合いません。テレビの画面を暗くする、便座の蓋を閉めるといった小技も、やって損はありませんが、冷蔵庫・エアコンより先にやることではありません。

買い替えという最大の節電

10年単位で見れば、最大の削りどころは古い家電の買い替えです。冷蔵庫やエアコンは省エネ性能の進歩が大きく、カタログの年間消費電力量の差 × 31円で買い替え効果を事前に計算できます。差が150kWhなら年間4,650円。10年で46,500円です。買い替えるなら、型落ちが値下がりする時期に楽天のセールを重ねるのが総額で有利です。時期の周期は買い時カレンダーの記事に、セールでの探し方は毎月更新の記事にまとめています。

あわせて読む"今月のセールで買うと得な家電の探し方"
本記事は資源エネルギー庁の調査にもとづく公開情報と各メーカーの公開仕様をもとに構成しています。待機電力の数値(年間228kWh・全消費電力量の5.1%)は資源エネルギー庁のデータにもとづく解説記事(価格.com https://kakaku.com/energy/article/?en_article=109 )で確認しました。電気代は目安単価31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会・2022年改定)による概算です。実際の電気代は契約プランと使用状況で変わります。

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