浄水器とウォーターサーバーの比較でよくある間違いは、月額だけを見て水の使用量をそろえないことです。同じ「1日3L」の条件に固定して年間総額を出すと、両者は同じ土俵の商品ではないことがわかります。仮定値はすべて明記しますので、ご家庭の数字に置き換えてください。
先に結論
- コスト最優先蛇口直結型の浄水器。カートリッジ代込みでも年間1万円未満に収まる計算です。
- 冷水・温水がすぐ欲しいウォーターサーバー。ただし対価は年間数万円単位です。
- 初期費用を抑えて試したいポット型。本体が安いかわり、カートリッジの交換頻度は高めです。
前提条件をそろえる
計算の前提は次のとおりです。すべて仮定値で、実際の値は製品と契約により異なります。
- 飲用・調理に使う水|1日3L、年間1,095L
- 水道代|1Lあたり0.24円(1m³=240円と仮定)
- 電気代の単価|31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会が2022年に改定した目安単価)
浄水器のカートリッジは、交換周期と総ろ過水量が製品ごとに大きく違います。ここでは蛇口直結型を3か月交換・1個1,500円、ポット型を総ろ過水量150L・1個1,000円と仮定します。サーバーの水は1Lあたり170円、消費電力は月13kWhと仮定します。いずれも計算の枠組みを示すための数字で、実際の契約や製品でこのとおりになるとは限りません。
年間総額を計算する
蛇口直結型は、カートリッジ年4個で6,000円。水は水道水なので、1,095Lで約260円。合計は年間約6,300円です。ポット型は1,095L÷150Lで年約8個のカートリッジが必要になり、8,000円+水道代で約8,300円。本体が安いぶん、ランニングは蛇口直結型より高くつく構造です。
ウォーターサーバーは水代が支配的です。1,095L × 170円で約186,000円。電気代は月13kWh × 31円/kWhで月約400円、年間約4,800円。合計で年間約19万円という計算になります。
| タイプ | 消耗品・水代 | 電気代 | 年間総額 | コスト |
|---|---|---|---|---|
| 蛇口直結型浄水器 | 約6,260円 | 0円 | 約6,300円 | ◎ |
| ポット型浄水器 | 約8,260円 | 0円 | 約8,300円 | ○ |
| ウォーターサーバー | 約186,000円 | 約4,800円 | 約19万円 | × |
同じ水量なら、サーバーと浄水器の差は年間18万円前後になります。実際には、サーバーの水を飲用だけに限り、調理は水道水という使い方が多いはずです。飲用を1日1Lに絞っても、水代約62,000円+電気代で年間約6.7万円。それでも浄水器の10倍の水準です。
サーバーが払っている対価は何か
この差額は無駄と言い切れるものではなく、冷水と温水がすぐ出る機能、ボトルが届く配送、機器のレンタルという別のサービスへの支払いです。お湯をすぐ使いたい家庭では、電気ケトルの手間との比較になります。逆に「水の味のためだけ」にサーバーを検討しているなら、浄水器で目的の大半は満たせます。
注意点は契約条件です。サーバーは月々の注文ノルマや解約金が設定されている場合があり、水の消費が少ない家庭では余ったボトルが積み上がります。浄水器側の注意点はカートリッジの交換をさぼることです。総ろ過水量を超えて使い続けると、表示どおりの除去性能は期待できません。
ペットボトルの水を買い続ける形も、同じ式で比べられます。2Lボトルを1本80円と仮定すると1Lあたり40円で、年1,095Lなら約44,000円。浄水器より高く、サーバーより安い中間の水準です。ここに毎回の持ち帰りか箱買いの置き場所が加わります。災害用の備蓄を兼ねられる点はボトルの利点なので、普段は浄水器、備蓄は箱買いのボトルという分担が計算上は最も安くつきます。
買うタイミング
浄水器を選ぶ場合、本体よりもカートリッジが継続コストの本体です。交換用カートリッジは劣化しにくく確実に使う消耗品なので、交換周期に合わせた複数個のまとめ買いが買い回りと相性のよい品目になります。純正品の型番を確認したうえで、掲載時点の価格とポイント倍率を販売ページでご確認ください。
本体を選ぶ段階では、カートリッジの年間コストを先に比べてください。本体が2,000円安くても、カートリッジの年額が3,000円高ければ1年で逆転します。除去対象の物質数や総ろ過水量は製品の表示に記載されているため、同じ表示条件で年額に直して並べるのが確実です。
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