マスクの備蓄で困るのは、水や食料と違って「1人何枚」という公的な数量基準がないことです。基準がないまま不安で買うと、2020年の品切れ期のように買いすぎか買い遅れのどちらかになります。使用量からの逆算で決めます。
先に結論
- 計算式1人1日1枚×人数×備えたい日数。不織布マスクは原則使い捨てで計算します。
- 最低ライン1人30枚(約1か月分)。50〜60枚入り1箱を人数分持てば、これを上回ります。
- 上限1人2箱まで。それ以上は保管品質が落ちる在庫です。使いながら回して入れ替えます。
逆算の前提|1人1日1枚で数える
不織布マスクは使い捨てが前提の衛生用品です。外出のたびに1枚と数えると、毎日外出する人で1日1枚、在宅中心なら週に数枚になります。備蓄の計算は多いほうに合わせ、1人1日1枚で見積もります。家庭内に感染者が出ると全員が着ける場面が増えるため、少なめに見積もる理由はありません。
備える日数は、防災の備蓄基準を借ります。水や食料は最低3日分〜1週間分が公的な目安ですが(首相官邸・農林水産省)、マスクの出番は災害よりも感染症の流行期です。流行の波は週単位で続くため、3日分ではなく1か月分を最低ラインに置きます。
4人家族なら1日4枚×30日で120枚。50〜60枚入りの箱を人数分、つまり4箱持てば足りる計算です。一人暮らしなら1箱、2人世帯なら2箱と、人数がそのまま箱数になるので覚えやすい定数です。
買い方|箱数を固定して回す
マスクは期限管理より在庫管理の商材です。次のルールで回します。
- 「1人1箱+家庭の予備1箱」を定数にします。4人家族なら5箱です。
- 開封中の箱が空いたら、予備を開けて次の買い物で1箱補充します。非常食のローリングストックと同じ回し方です。
- 保管は高温多湿と直射日光を避け、箱のまま置きます。個包装タイプは持ち出し用と割り切ると使い分けやすくなります。
- 買う銘柄を固定すると、単価の変化にも気づきやすくなります。
災害時は断水で洗顔や歯磨きが制限され、避難所や在宅避難でも粉じんと感染対策にマスクが挙げられます。首相官邸の備えのページでも衛生用品の備蓄が示されており、防災リュックに数枚、備蓄箱に1箱を分けて置くのが実用的です。地震後は倒壊や片付けで粉じんが舞うため、感染症の流行と関係なく出番があります。
不織布マスクに使用期限の表示義務はありませんが、耳ひものゴムやノーズワイヤーの接着は年数で劣化します。10年前の箱を災害時に開けたらゴムが切れる、という事態を避けるためにも、死蔵ではなく回転で持つ方式が向いています。
単価の見方|1枚あたりで比べる
マスクの価格は箱の枚数がばらばらで、箱単価では比較になりません。1枚あたりの単価に直して比べます。掲載時点の相場では、通販のケース買いで1枚10円台からが一つの目安ですが、価格は変動します。性能表示はJIS T9001(医療用・一般用マスクの日本産業規格)への適合表示が判断材料になります。カットフィルターの捕集効率(PFE・BFE・VFE)の試験値表示も、性能を比べる際の材料です。
サイズは単価より先に確認します。顔に合わないマスクは隙間から空気が漏れ、フィルター性能が生きません。家族の分は大人用・小さめ・子ども用を分けて備え、箱に使う人の名前を書いておくと流用による欠品を防げます。形状(プリーツ・立体)は好みで構いませんが、備蓄は同じ製品に揃えると在庫管理が単純になります。
置き場所は3か所に分ける
備蓄箱・防災リュック・外出動線の3か所に分けます。外出動線とは、玄関・職場の引き出し・車のダッシュボードなど、出先で必要になったときに手が届く場所です。ここには個包装タイプが向きます。開封済みの箱から持ち出すと衛生面で劣化するためです。分散させた分は定数に含めて数え、補充のたびに3か所とも見ます。
買うタイミング
マスクは軽くて単価が低く、買い回りの店舗数合わせに向いています。2020年の品切れ期に起きたとおり、流行が始まってからは価格が上がり在庫も消えます。平時の定数補充で買うのが、結果的にいちばん安く済みます。防災用品全体の優先順位は、ピラー記事で整理しています。
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