工事不要の小型衣類乾燥機は、「洗濯物が全部乾く機械」として買うと外します。2kgクラスで一度に乾くのは、Tシャツなら7〜9枚ぶんです。5kgの洗濯機1回分は、そもそも入りません。ここを先に押さえたうえで用途を絞ると、価格のわりに働く機械になります。
先に結論
- 下着・靴下・タオルだけ合います。毎日出る小物を回すだけなら、容量はこれで足ります。
- 翌朝までに1〜2枚合います。部屋干しでは間に合わない分だけを入れる使い方が本領です。
- 洗濯1回分をまとめて合いません。2回3回に分けることになり、時間も電気代も積み上がります。
2kgは「洗濯物の量」ではなく「乾いた衣類の重量」
容量表示の2kgは、洗濯機と同じで、乾いた状態の衣類の重量です。濡れた洗濯物2kg分ではありません。ここを取り違えると、入る量の見積もりが倍ずれます。
衣類1枚あたりの乾燥重量には、おおよその目安があります。綿のTシャツが150〜200g、下着や靴下が50g前後、バスタオルが300g前後、ジーンズが500〜700gです。単純計算なら2kgでTシャツ10枚以上になりますが、その数字は成立しません。
乾燥は、庫内に隙間があってはじめて進みます。温風が衣類のあいだを通り抜けて水分を運び出す過程なので、詰め込むと風の通らない塊ができ、そこだけ生乾きで終わります。実用上の上限は庫内の7〜8割です。2kgクラスなら実質1.4kg前後、Tシャツで7〜9枚、タオル類なら4〜5枚が現実的な線になります。
これは、一人暮らしの1回分の洗濯物にほぼ相当します。2人分をまとめて洗う家庭では、1回では終わりません。1kg前後の超小型モデルになると、下着と靴下の1日分でいっぱいになります。
運転時間も見ておいてください。小型モデルは消費電力を抑えた低出力のヒーター式が中心で、風の温度も風量も据置型より控えめです。そのぶん、満載に近い量では3〜5時間かかる機種が珍しくありません。朝入れて夜に取り出す、という使い方が前提になります。乾燥方式そのものの違いは、ピラー記事で整理しています。
あわせて読む"衣類乾燥機の選び方|設置場所・容量・乾燥方式の判断軸"湿気の行き先で、置ける場所が決まる
衣類から抜いた水分は、必ずどこかへ行きます。小型モデルの排湿処理は3タイプあり、これが設置場所の条件を決めます。
排気ダクト式は、湿った空気をホースで機外へ出します。ホースの先を窓や換気口に出せる場所が条件です。ダクトの取り回しができれば乾燥は安定しますが、窓に固定する部材が別売りのこともあります。
タンク式(内部で除湿)は、湿気を機内で結露させて水にし、タンクに溜めます。排気の逃げ道が要らないので、置き場所の自由度はいちばん高い。かわりに、タンクが満水になると運転が止まります。容量が小さい機種では、1回の乾燥の途中で捨てに行くことになります。
室内放出式は、湿った空気をそのまま部屋に出します。本体が安く、袋状の簡易タイプに多い方式です。ただし部屋の湿度が上がるため、閉め切った脱衣所やクローゼットに置くと、湿度が飽和して乾燥そのものが止まります。換気の効く部屋か、除湿機を併用できる部屋でないと性能が出ません。
| 排湿タイプ | 置き場所の自由度 | 運転中の手間 | 部屋の湿度 | 総合 |
|---|---|---|---|---|
| タンク式(内部除湿) | 高い | 満水で停止・排水が要る | 上がらない | ◎ |
| 排気ダクト式 | 窓や換気口の近くのみ | ほぼ不要 | 上がらない | ○ |
| 室内放出式 | 換気できる部屋のみ | 換気か除湿機の併用 | 上がる | △ |
置き場所の条件は、どのタイプでも共通するものがあります。水平で振動を受け止められる床、背面と側面のすき間(多くは10cm前後)、アース付きのコンセントです。カラーボックスや洗濯機の上に載せるのは、耐荷重と振動の点で避けてください。
「小型だから電気代が安い」とは限らない
1回あたりの電気代は、次の式で出ます。単価の31円/kWhは、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が2022年に改定した目安単価です。
1回の電気代(円)= 消費電力(W)÷ 1000 × 運転時間(h)× 31円
仮に消費電力600Wの小型モデルで、2kgを4時間かけて乾かすとします。600 ÷ 1000 × 4 = 2.4kWh。31円を掛けて、約74円です。一方、消費電力1,250Wの据置型が5kgを2時間で乾かすなら2.5kWh、約78円になります。
1回あたりはほぼ同額ですが、乾かした量は5kgと2kgで2倍以上違います。衣類1kgあたりで見ると、小型モデルのほうが割高です。消費電力が小さいぶん時間が延びるので、掛け算した結果はあまり下がりません。小型モデルの利点は電気代ではなく、工事が要らないことと本体価格の安さにあります。
この計算は消費電力と運転時間を仮に置いたものです。候補が決まったら、その機種のカタログ値を式に入れ替えてください。
買うタイミング
小型モデルは1万円台から3万円台が中心で、単体では買い回りの土台になりにくい価格帯です。洗濯機や他の家電を買う月に合わせると、同じ買い物のなかで倍率を稼げます。
買い回りの特典ポイントは店舗数ではなく合計購入額にかかるため、この1点のために店舗を増やす動きは割に合いません。判断の基準は別記事にまとめています。
あわせて読む"お買い物マラソンの買い回り|10店舗の埋め方"選ぶときは、容量の数字より排湿タイプと庫内の形を先に見てください。同じ2kgでも、縦長のドラムか横型かで入る衣類の種類が変わります。価格・在庫・ポイント倍率は変動しますので、購入前に販売ページでご確認ください。