車載USB充電器で多い失敗は、「合計36W」のような合計値だけを見て買い、2台差したら急に遅くなることです。見るべきは合計ではなく1ポートあたりの出力と、USB PD(Power Delivery)に対応しているかです。この2点の読み方さえ分かれば、カタログの数字は迷わず比べられます。
先に結論
- スマホ1〜2台を急速充電したいUSB-CポートでPD 20W以上×必要台数分。現行のiPhone・Androidの急速充電はほぼこれで足ります。
- 家族で3台以上つなぐ「合計出力」ではなく、全ポート同時使用時の各ポート出力が明記されたもの。仕様欄に同時使用時の配分が書いてある製品は信頼できます。
- ノートPCやタブレットも充電したいPD 45W以上のUSB-Cポート。あわせてケーブルもPD対応のものが必要です。
出力の読み方|W=V×A、そしてPDかどうか
充電の速さを決めるのはW(ワット)で、W=V(電圧)×A(電流)です。昔ながらのUSB-Aの「5V/2.4A」は最大12Wを意味します。これは急速充電が広まる前の水準で、今のスマホには物足りません。
「車に最初からUSBポートが付いているから不要」と思っている場合も、一度そのポートの出力を確認してください。純正のUSBポートはオーディオ用のデータ端子を兼ねたものが多く、出力が5V/0.5A(2.5W)〜1A(5W)程度しかないことがあります。ナビアプリで画面を点けたまま充電すると、充電より消費が速く、残量がむしろ減っていきます。「つないでいるのに減る」の原因は、たいていこの出力不足です。
USB PDは、機器と充電器が交渉して電圧を5V→9V→15V→20Vと引き上げる規格です。USB-Cポートで「PD対応・20W以上」とあれば、現行スマホの急速充電に対応できます。Android系ではQuick Charge(QC)対応をうたう製品もありますが、現在はPDが事実上の共通規格で、PDを基準に選べば大きな間違いがありません。
注意したいのが合計表記のからくりです。「合計36W(USB-C 24W+USB-A 12W)」のような内訳ならよいのですが、「合計36W」だけで、2ポート同時に使うと各18Wに落ちる製品もあります。仕様欄に同時使用時の出力配分が書かれているかを確認してください。書かれていない製品は、その時点で候補から外して構いません。
シガーソケット側の上限とケーブルも見る
電気はシガーソケットから来るため、車側にも上限があります。乗用車のシガーソケットは一般にDC12Vで10A(120W)程度が目安とされ、ヒューズで保護されています。100W級をうたう多ポート充電器でも、この範囲で動く設計です。数字の大きさだけを追う必要はなく、むしろタコ足のソケット分配器と大出力充電器の併用は、ヒューズ切れや発熱の原因になるため避けます。
見落とされがちなのがケーブルです。PD充電はケーブルもPD対応(USB-C to C)でないと成立しません。60Wを超える充電には対応を明示した高出力用ケーブルが必要です。車内は夏に高温になるため、耐久性の面でも粗悪なケーブルを避け、充電器と同時にそろえるのが確実です。
| タイプ | 1ポート出力の目安 | 向く用途 | 総合 |
|---|---|---|---|
| USB-Aのみ(5V/2.4A級) | 最大12W | 旧機種・小物の充電 | △ |
| USB-C PD 20〜30W級 | 20〜30W | スマホの急速充電 | ◎ |
| USB-C PD 45W以上(多ポート) | 45W〜 | ノートPC・タブレット併用 | ○ |
迷ったら「USB-C×2、各ポートPD 20W以上、同時使用時の配分が明記」を条件にすれば、家族の乗車でも困りません。USB-Aは手持ちの古いケーブルを活かす保険として1口あれば十分です。
安全面の仕様も価格差の中身です。過電流保護・過熱保護の記載があるか、筐体が放熱を考えた金属製かは、数百円の差として表れます。エンジン始動時にはシガーソケットの電圧が一瞬大きく変動するため、保護回路のない極端な廉価品は接続機器側のリスクになります。車内に置きっぱなしにする道具だからこそ、この部分は削らないことを勧めます。
買うタイミング
車載充電器は1,000〜3,000円台が中心の消耗品に近いカテゴリで、単品では送料の比重が大きくなります。楽天の買い回りで、ケーブルやホルダーなど他のカー用品と同じ店でまとめて1店舗分にするのが効率的です。ポイント倍率は変動しますので、掲載時点の条件は販売ページでご確認ください。
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