車載スマホホルダーは、性能より先に取り付け位置でつまずきます。海外製に多い吸盤式をフロントガラスに貼ると、それだけで保安基準に適合しない状態になります。まず「どこなら付けてよいか」を押さえてから、保持方式を選んでください。
先に結論
- ナビ利用が中心ダッシュボード上にゲル吸盤や粘着ベースで固定するタイプ。画面が視線の近くに来て、確認のための視線移動が短くなります。
- 視界を一切ふさぎたくないエアコン吹き出し口に差し込むクリップ式。ただし重いスマホでは送風フィンに負担がかかるため、保持部の作りを見ます。
- 着脱の手間を減らしたいマグネット式またはワイヤレス充電一体型。乗り降りのたびの脱着が片手で済みます。
取り付け位置の法規|フロントガラスは原則NG
道路運送車両の保安基準では、フロントガラスに貼り付けてよいものが限定されています。認められているのはルームミラー、車検標章、ETCアンテナ、ドライブレコーダーなどの限られた装備で、スマホホルダーは貼り付けが認められる物に含まれていません。上部20%以内といった位置の条件はドライブレコーダー等に適用されるもので、ホルダーはそもそも対象外です。吸盤でもフィルムでも同じです。
取り付け先として現実的なのは、ダッシュボード上とエアコン吹き出し口です。ただしダッシュボード上でも、前方の視界を妨げる位置は保安基準の前方視界の要件に反します。目安として、運転席から車両前方の子どもの高さ(前方2mにある高さ1m・直径30cmの円柱)が直接見えることが求められます。メーターの真上や視線の正面を避け、できるだけ低く・中央寄りに付けるのが基本です。
あわせて道路交通法の「ながら運転」の規制も前提になります。走行中の保持(手に持つこと)は罰則の対象で、画面の注視(おおむね2秒以上)も違反です。ホルダーは「触らずに済む位置に画面を置く」ための道具であり、操作するための道具ではありません。信号待ちでの操作も、停止の定義をめぐって争いになりやすいため勧めません。
設置場所ごとの向き不向き
ダッシュボード上は視線移動が短く、ナビ利用に向きます。夏の車内は高温になるため、粘着ベースは耐熱をうたうものを選び、革調など貼り付きにくい素材のダッシュボードでは付属の補助プレートを使います。貼る前の脱脂(アルコールでの拭き取り)と、貼ってから一晩置いて荷重をかけないことで、粘着の持ちは大きく変わります。位置は一度貼ると変えにくいため、スマホを実際に置いた状態で視界とエアバッグの展開範囲にかからないことを確かめてから貼ってください。
エアコン吹き出し口は視界をまったくふさがない一方、冬の温風がスマホの背面に当たり続ける位置です。スマホは高温で充電が制限されるため、ワイヤレス充電と併用する場合は不利になります。CDスロット差し込み式やドリンクホルダー固定式は、視線移動は長くなりますが、視界と法規の面ではもっとも安全側の選択です。
保持方式の比較|片手で着脱できるか
| 方式 | 着脱の手間 | 保持力 | 注意点 | 総合 |
|---|---|---|---|---|
| クランプ式(挟み込み) | 両手が要ることも | ◎ | ボタン位置と干渉することがある | ○ |
| 重力式(オートホールド) | 置くだけ | ○ | 軽いスマホだと保持が緩いことがある | ◎ |
| マグネット式 | 近づけるだけ | ○ | 対応ケースか金属プレートが必要 | ○ |
| ワイヤレス充電一体型 | 置くだけ | ○ | 配線と発熱。夏は充電が遅くなりがち | ○ |
毎日乗る車なら、着脱回数がそのまま使い勝手です。片手で3秒以内に着脱できるかを基準にすると、重力式かマグネット式に絞られます。マグネット式は磁力対応のケースやリングが前提になるため、手持ちのスマホとケースの対応を先に確認してください。
ワイヤレス充電一体型を選ぶ場合は、出力(7.5Wや15Wなどの表記)とコイル位置の可動域を見ます。スマホの大きさによっては充電コイルの位置が合わず、載せても充電されないことがあるためです。給電にはシガーソケットからの配線が必要になるので、車載USB充電器のポートを1つ使う前提で計画してください。走行中の振動で充電が途切れる安価な製品もあり、レビューでは保持力より「充電が続くか」に注目すると失敗が減ります。
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